後継者のいない日本企業、事業継承を支援するサーチファンド
- 日本企業の30%存廃の危機感、地域金融機関と中小企業·サーチファンドで第3の後継者を探すことに成功 - 高齢化が進む韓国中小企業、日本サーチファンドの事例を参考にすべき -
□後継者不在の日本企業、25年127万社に達する見通し
2017年、日本の経済産業省は2025年に事業後継者のいない中小企業数が127万社に達し、日本企業の30%が廃業、650万の雇用減少と約22兆円のGDP損失を見込んだ。- 特に少子高齢化問題が深刻な地方都市で中小企業の消滅は地域の経済と雇用に大きな悪影響を及ぼすため、日本では後継者問題が個別企業だけでなく地域社会の共通課題と認識されている。
後継者不在の企業代表の大半は、MnAなど第三者企業継承に心理的抵抗感が強く-東京商工リサーチが日本の中小企業379万社中190,521社を抽出して調査した後継者不在率調査によると、後継者が決定していない中小企業は105,942社（55.6%）で、現在も過半数以上の企業が後継者不在の問題を抱えていることが明らかになった-このうち過半数が後継者問題について未確定又は検討中の事業になった。の第3者に事業を譲ることに対し、企業の心理的抵抗感が根深いためと分析した。
□日本地方の中小企業、サーチファンドによる後継者発掘に成功
このような傾向の中、同じく後継者を探していた日本の地方中小企業がサーチファンドを通じて第3の後継者を探し、約1年にわたる協議の末、企業継承に成功した。
○サーチファンドとは？サーチファンドは1980年代に米国で開発された投資モデルで、能力と経験のある若い人材(Searcher,サーチャー)を通じて中小企業に投資する方式で、投資家がサーチャーに資金を投資して買収したい企業を買収するようにする投資モデルとして日本に紹介されてから間もない投資モデル。-2018年11月に設立された日本サーチファンドアクセラレータ(Japan Search Fund Accelerator、JaSFA)によると、サーチファンドを通じて大都市と大企業に集中している優秀な人材を地方の中小企業代表になることができるように結ぶことにより、中小企業の高齢化による継承者不在、地方経済の縮小などの問題の解消に寄与できるとして紹介する。-本事例では山口サーチファンド(投資者)が、若い事業家(ソチョ)に投資し、特殊目的法人を設立し、この資金を動員して事業家が企業を買収すれば、投資家はこの会社の持株会社になる構造であること。
山口サーチファンドの投資構造
株式会社汐見組は創業64年を迎える日本の北九州に位置する土木工事業者で、現社長の高齢化問題で後継者を探していた。
ㅇ社長は会社の存続と従業員の雇用維持を最優先に考え、昨年から山口サーチファンドと接触し、山口ファンドは後継者発掘に困難を来たしている汐見組と企業を運営してみた経験と能力のある30代後半の若い事業家が会社を引き継がせるように支援する。 これは日本国内のサーチファンドが企業の後継者不在問題の解決に寄与した日本国内の初めての成功例だ。
ㅇ JaSFAの島津典子代表によると、第三者に事業を継承することに消極的な日本で、今回のサーチファンド事例が成功できたのは、企業代表の積極的な意志と地域経済の衰退を懸念した地方金融機関が一丸となって後継者候補の物色、膨大な地域企業情報を基にしたコンサルティング運営などの密着支援により、効率的に事業継承に関与したためと分析している。
末吉正人社長（左2人目）と企業を受け継いだ事業家渡辺健二社長（右2人目）
□韓国中小企業代表のうち33%が60台以上、世代交代停滞
ㅇ朝鮮Bizによると、国内中小企業代表が60歳以上の企業が全体の3分の1を占めることが明らかになったこと。これは社会的、経済的要因などで中小企業、高齢化の速度に比べて世代交代が実現する速度が遅いためと分析される。-特に機械・部品など製造業分野の場合に経営陣の平均年齢が他業種に比べ高く、後継者の発掘に困難が多いことが分かる。
ㅇまた、わが国で2018年に買収・合併へと売りに出された企業730社のうち16.2%の118社が後継者を見つけられなかったことが明らかになり、今後、高齢化進行によって後継者を物色し困難などの理由で廃業をするようになる事例が多くなる可能性を予想することができる。
□示唆点
ㅇ中小企業が全体雇用の70%以上を担当する韓国で中小企業の廃業は地域の雇用減少や経済成長率の減少などの問題を招きかねいこと。
ㅇ山口サーチファンドを通じた日本の中小企業の後継者の発掘例は、企業存続と地域経済活性化のために、日本の地方金融機関、中小企業、若い事業家が力を合わせて共存に成功した初の事例であること。
ㅇサーチファンドはまだ韓国では珍しい概念や韓国と似ている文化と産業構造、韓国より先立って、超高齢化社会を経験した日本でサーチファンドが導入され、日本がこれを通じて地方経済活性化と中小企業の後継者問題について有意義な成功事例を披露したのは、同じ問題を経験している韓国中小企業にも参考になることができること。
資料:日本経済性、東京商工リサーチ、日本経済新聞、JaSFA、朝鮮Biz、KOTRA福岡貿易館の資料総合出所-日本の福岡貿易館